2023年6月13日 独立行政法人国民生活センター見守り新鮮情報第453号より
自宅を不動産業者に売却して代金を受け取り、同時に賃貸借契約を結んで、その後は家賃を払いながら同じ家に住み続ける「リースバック」という不動産取引があります。自宅の売却はクーリング・オフができません。しくみやデメリットもよく理解したうえで、慎重に考えましょう。
事例
4年前、所有していたマンションを売って、そのまま賃貸でそこに住み続けられる契約をした。売却金額は1千万円で、家賃の月額は9万5千円。当時の月収は、夫と私の年金で25万円以上あったが、しばらくして夫が亡くなり、年金が減って家賃の支払いが遅れるようになった。本日集金人がやってきて催促された。事情を話すと「払わないなら出て行ってもらう」と言われた。(70歳代)
その他、以下のような相談も寄せられています。
★有利な話があると長時間勧誘され売却と賃貸借の契約をさせられた。
★強引に安価な売却契約をさせられ、解約には高額な解約料がかかると言われた。
★自宅の売却をしたようだが覚えておらず、住むところがないため解約したい。
ひとこと助言
★リースバックで結んだ賃貸借契約においては、期間が定められる場合も多く、ずっと住み続けられる保証はありません。
★家賃が相場より高額に設定されてしまうことや、契約更新時に家賃が値上げされることもあります。また、経済的事情の変化により支払えなくなる事態が生じる場合もあります。
★自宅の売却はクーリング・オフができず、契約が成立してしまうと無条件で解除できません。メリットだけでなくデメリットやしくみもよく理解して、家族など信頼できる方に相談するなど慎重に考えましょう。
★よくわからないことや納得できないことがあったら、解決するまで契約はしないでおきましょう。
★勧誘が迷惑だと思ったらきっぱりと断り、今後勧誘しないように伝えましょう。
◆不安な場合は、お住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。