新年のご挨拶

特定非営利活動法人消費者ネット広島  理事長 木村 豊

今に生きる私たちのあり方

新年あけましておめでとうございます。

 気候変動、自然災害、感染拡大、武力紛争、今私たちが住む現代社会で起こっている様々な問題の多くは、私たち自身が作り出しているものだと言えます。今のままで私たちの暮らしはこの先もずっと続いていくのでしょうか。

 ほ乳類の個々の「種の寿命」についての研究があります。短いものでは数万年、長いものでは1000万年以上と幅があるのですが、平均するとほ乳類の種の寿命は100万年程とのことです。ちなみに、私たちの前の人類であるホモ・エレクトスは190万年でした。私たちホモ・サピエンスが誕生してから20万年が経過しているとすると、平均的な種の寿命に達するまでにはあと80万年ということになります。

 ホモ・サピエンスの誕生以来20万年間に出生した人類の数は1170億人、うち1090億人は既に世を去り、現在地球上で暮らしている人類は80億人との研究もあります。つまり、今生きて暮らしている私たちは、これまで生まれてきた人たちの7%です。そして、現在地球上で年間1億2500万人が出生していますが、このペースがこのままあと80万年続いたとしたら人類の出生者数は100兆人となり、今生きて暮らしている私たちは、これから生まれてくる人たちの0.008%に過ぎないことになります。

 このように、過去の人たちから連綿と引き継いできて、この先未来の人たちに引き継がなければならない今に生きる私たちは、人類全体から見ればほんの少数にしかすぎません。人類がこの先も安定した暮らしを続けていくためには、私たちは今をどのように生きるべきか、このままで本当によいのかということを真剣に考えなければならないところに来ていると思います。地球上に生き、地球上で暮らしている私たちは、いうならば地球の消費者です。かしこい消費者であるための取り組みがここでも求められていると思います。

 当法人は、消費者の権利を確立し、消費者の利益を擁護する活動を行っています。そのためには、事業者による不当、不正な行為の是正を求める活動はもとより、消費者の被害を防止するための活動もとても重要だと考えています。お正月ということもあり、少し広い観点から述べましたが、このような今に生きる私たちのあり方についても、けっして消費者問題から離れたところにあるのではないものと考えています。

 皆様のご支援とご協力の下で、当法人もさらなる歩みを続けてまいりますので、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます

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