県内の活動紹介 〜地域や関係者の取組〜
世羅町にて「高齢者見守りセミナー」が開催されました
12月9日、世羅保健福祉センターにて、世羅町の社会福祉士、事業所職員、ケアマネジャー、ヘルパー等、高齢者を支えている方たちが毎月開催している地域連携ネットワーク会議の一環として、「高齢者見守りセミナー」がおこなわれました。
講師に府中市消費生活センターの伊藤秀典さんをお迎えして約40名の方々が参加されました。
「地域の見守りで高齢者の消費者被害を防ぐ!」
(講師 府中市消費生活センター 消費生活相談員 伊藤秀典さん)
◆高齢者の消費者トラブルの特徴
☆「孤独」を狙われる
☆「お金の不安」につけこまれる
☆「健康への不安」を利用される
☆高齢者の「ほこり」が相談をはばむ
高齢者は律儀で誠実であるため、話を最後まで聞こうとする方が多い。それは日常生活では美徳なのだが、悪質業者につけ込まれやすい。
★見守り活動の流れ
1、気づき・声掛け
「あれっおかしいな!」と感じる気づきやタイムリーな声掛けには、日頃のコミュニケーションと信頼関係が大切。
2、事実を確認
心を閉ざしてしまわれないよう、本人が言いやすくなるような雰囲気を作り、言葉を選ぶ配慮が必要。
「なぜ買ったんですか」など責めるような言葉や、「だまされている」など自尊心を傷つける言葉は使わない。
3、つなぐ
消費者被害なのかどうか迷うケースも、消費生活センターへ相談を。
「スピードが勝負」の場合もあるので、できるだけ早く相談窓口につなぐ。
「よけいなお節介かも?」と思わず、民生委員さんや地域包括支援センター、その他関係機関と問題の共有化をする。
★見守り事例
福祉施設の方が異変に気づき相談を勧めた事、早く相談窓口に来られた事によって被害が防げた事例などの紹介
・相談者 60代の女性(福祉施設の方が同行)
・相談内容 電気代が安くなるからとエコキュートシステムの訪問勧誘を受け契約したが、高額でもあり不安。契約内容を見て欲しい
契約内容を確認したところ、156回払(13年)のローン契約が組まれていた。
また途中で死亡した場合の代金回収に備えて生命保険の加入も行われていた。いずれも本人には全く自覚がなく、そのような内容では契約したくないと言う事。
契約から6日目だったため、クーリング・オフの手続きを行い解約できた。
★見守り力を高めましょう
・消費者トラブルのサインを見逃さず、異変に気付いたら、「早く」「つなぐ」「難しく考えず」「橋渡しをしてあげる」を実践。
・日頃からのコミュニケーションが大切。
・消費者被害の情報を普段から入手する。
・結果的にお節介になってもいいと思わないと見守りはできない。
★参加者の感想
・地域で連携し合い、お節介な人間がたくさんできる社会になるとよい。
・日頃から地域でコミュニケーションを取れる体制作り、情報をしっかり知っておくことが大切。
・今後も高齢者宅への訪問時には、コミュニケーションを大切に何でも話して頂けるようにしたい。
・地域で協力し、見守り・声掛け・相談が大事と再確認した。
伊藤さんは、『皆様は「自分が何でもしなければならない」と堅く考えず、関係機関と連携して考えましょう。』とおっしゃられていました。見守りの中で問題が生じた場合は、一人で抱え込まず、地域全体で高齢者を見守っていくことが大切です。
無理のない見守りで、高齢者の方が安心して暮らせる地域づくりを目指しましょう。