県内の活動紹介 〜地域や関係者の取組〜
広島市中島地区社会福祉協議会の取組
広島市中区の中島地区社会福祉協議会では、支援が必要な高齢者等への取組として、「みんなでつくろう、なかよくじまんのできる町なかじま」を合言葉に、近隣ミニネットワーク(隣近所お互いさまの見守り)の構築に力を入れ、福祉委員会の年7~8回の開催、特別養護老人ホームや介護老人保健施設の見学、吉島地域包括支援センターの協力による介護認定の学習など様々な活動を行っておられます。
こうした取組のひとつとして、今回、同協議会が高齢者の消費者被害について学習会を開催されましたので、その様子を報告します。
■学習会「高齢消費者被害の現状について」
とき 平成26年1月27日
場所 中島集会所(広島市中区)
講師 広島市消費生活センター
消費生活相談員 寺本ひとみさん
■寺本相談員のお話の概略を紹介します
★平成24年度の広島市の消費生活相談状況
・ 高齢者の消費者被害は、6年連続で増加し、また被害額も大きい。、高齢者にとっては差し迫った問題であり、被害を防ぐためには地域の方々の協力が何よりも必要。
・健康食品の送りつけ商法が昨年の10倍と激増。最近は代金引き換え(代引き)だけでなく、振込用紙が入っていたり、レターパックで送金させようとする手口もある。
・受取拒否をするのが一番だが、受け取ってしまった場合でも、あきらめずに消費生活センターに相談を。
・高齢者を狙った劇場型の出資・投資勧誘(詐欺)は依然として多い。
・インターネットサイトのトラブルは老若男女を問わず多い。
★なぜ、消費者被害に遭うのか
・悪質業者は、親切な顔をして、あの手この手で近寄って来る。
・高齢者の3大不安(お金・健康・孤独)につけこむ
・情報不足につけこむ
★クーリング・オフは消費者の強い味方
・クーリング・オフは無条件解約で返品代(送料)もかからない。ぜひ活用を。
★被害の未然防止と拡大防止のために
・隣近所、周りの人の声掛けと「顔の見えるネットワーク」が大切。
・「さりげない見守り」を。決して「監視」になってはいけない。
「だまされているんじゃない?」ではなく、「毎日よく眠れていますか?」「何か心配事はないですか?」など、さりげなく声をかけてほしい。
・被害に遭っても泣き寝入りしないでほしい。悪質業者をはびこらせないためにも、自分が悪いからとか恥ずかしいなどと思わず、消費生活センターに連絡・相談をしてほしい。
寺本さんの事例を交えた分かりやすいお話を、参加者の方々は熱心に聞かれ、疑問に思ったことを質問されたり、「同じような電話がかかってきた」と話されたり、会話も弾み、和気あいあいとした学習会でした。
学習会で学んだことを、福祉委員の皆様が近所の協力員さんに伝え、協力員さんが隣近所両隣の方を見守る際に役立てるとのこと。
こうした地域での見守りは、高齢者等にとって、とても心強いものです。
中島地区社会福祉協議会の向こう三軒両隣、お互いさまのような見守り活動が、どんどん根付いていけば、安全・安心・心豊かな暮らしが実現できるのではないでしょうか。
■出前講座について
消費者被害の防止についての出前講座をご検討の際は、お住まいの市町又は県の消費相談窓口にお問い合わせください。費用は原則無料です。(各機関でご相談ください。)
また、当消費者ネット広島もお手伝いしておりますので、お気軽にご連絡ください。
最後に、学習会の中で寺本相談員が紹介された「見守り合言葉」と「ことわり音頭」がわかりやすく、親しみやすいものでしたのでご紹介します。
学習会でも、最後に参加者全員で「ことわり音頭」を合唱し、笑顔で終了しました。
サロンや研修会等で、是非ご活用いただければと思います。
★「見守り合言葉」
危(き)―きざし
機(き)―気づき
去(さ)―さりげない見守り
れ(れ)―連絡、相談を
★「ことわり音頭」 うさぎとかめの替歌
1番 りりん りりりん ベルが鳴る
やさしく 明るい 声がする
手にした 電話の むこうには
甘い 誘惑 ワナがある ♪
2番 今日は 特別 キャンペーン
あなたに だけです あと一つ
とっても お安く しときます
買わなきゃ 損です 絶対に ♪
3番 いつしか 話に ひきこまれ
契約しそうに なったけど
「いいです」 「いいです」 「結構」と
それでも わたしは 断った ♪
4番 日本語 とっても むずかしい
断る 言葉は 大事です
はっきり 告げましょ 「いりません」
「買わない」 「いらない」 電話切る ♪