県内の活動紹介 〜地域や関係者の取組〜
2013年10月15日
今回は、広島県警察本部 安全安心推進課 減らそう犯罪情報官の岡崎玲史警視に特殊詐欺への取り組みについて、ご紹介いただきます。
特殊詐欺とは、不特定多数の人に、電話等の通信手段を使い対面することなく金品をだまし取る詐欺の総称です。被害者の多くは高齢者であり、また被害は年々増加しています。
「特殊詐欺根絶に向けてコールセンター事業を開始」
広島県警察本部 減らそう犯罪情報官 岡崎 玲史さん
犯罪のないまちづくりは,安全で安心して暮らせる基礎となるものです。
広島県では,平成15年から実施してきた「減らそう犯罪」県民総ぐるみ運動の成果をもとに,「犯罪をなくす」という新たな視点に立ったアクション・プランを策定し「日本一安全・安心な広島県の実現」を目指しています。
これまでの運動によって,刑法犯認知件数は順調に減少していく中,詐欺は前年より増加に転じ,特になりすまし詐欺や還付金詐欺などの特殊詐欺は,被害者の約7割が高齢者となっており,老後の大切な蓄えを騙し取られるという悲しい現実は,県民の安心感を阻害する大きな要因となっています。
県内の特殊詐欺の発生は,本年8月末で180件を認知,被害額は約6億7千万円となるなど過去最悪の状況となっており,今後,さらに高齢化社会が進展していく中,特殊詐欺の防止は,高齢者の「安全・安心」を確保していく上で喫緊の課題となっています。
そこで広島県警察では,「詐欺被害は人ごとではない」ということを高齢者一人ひとりに伝え,危機意識と抵抗力を高めてもらうために,本年12月から特殊詐欺被害防止のための集中対策としてコールセンター事業を実施することにいたしました。
これは,被害の対象となる可能性のある高齢者(例えば,捜査の過程で犯行グループから押収した名簿や同窓会名簿などに搭載された方など)に対し,県警が委託する業者が直接電話で詐欺の手口や防止策などを説明し,注意喚起することで,特殊詐欺の被害防止を図ろうというものです。
特殊詐欺は,その手口を理解しておけば防止できる犯罪といわれています。
この事業を通じて,高齢者の皆様が実際に詐欺犯人から電話を受けたときに,被害防止のための行動が取れるよう,一人ひとりにしっかりと呼びかけていきたいと思っています。
本当に,日本一安全・安心な広島県を実現するために,高齢者被害の特殊詐欺の根絶を目指し,皆様のご理解とご協力をお願い致します。