県内の活動紹介 〜地域や関係者の取組〜
「消費者安全確保地域協議会」の設置に向けて
呉市の取り組み
呉市では「消費者安全確保地域協議会」の設置に向けて、平成29年11月に、見守りネットワークの取り組みの先進地視察(西東京市、多摩市)を行いました。
視察には、呉市市民窓口課職員、呉市福祉保健部介護保険課の職員、消費生活センター相談員、呉市中央地域包括支援センター職員が参加されました。
「消費者安全確保地域協議会」について |
平成30年1月23日、呉市消費生活センターと呉市中央地域包括支援センタ-との共催による合同研修会『地域の見守りネットワークを目指して』が開催され、今回の視察の報告や、報告をもとにしたグループワークが行われました。
合同研修会で発表された視察報告を紹介します。
◆視察報告
「西東京市・多摩市での見守りネットワークへの取り組み」
【東京都西東京市】
★西東京市では、「消費者安全確保地域協議会」は未設置ではあるが、高齢者の異変の早期発見緊急事態への速やかかつ適切な対応をとることで、高齢者が住み慣れた地域で安心した生活を送ることを目的とした「ささえあいネットワーク事業」を展開している。
★「ささえあいネットワーク事業」では、個人の方に「ささえあい協力員」または「ささえあい訪問協力員」、市内に営業拠点のある企業・事務所及び自治会・町内会に「ささえあい協力団体」として登録(協定締結)していただき、日頃の生活や業務の中でゆるやかな見守り活動を行ってもらっている。
★消費生活センターとの連携強化のために、年度初めに、市職員と相談員が、全地区の地域包括支援センターを訪問。相談員の「名前入りチラシ」を手渡し、顔の見える関係づくりに努めた。その結果、自分では相談できない人の、消費者トラブルの掘り起こしができた。
【東京都多摩市】
★多摩市では、福祉部門との連携により、「消費者安全確保地域協議会」として『多摩市高齢者地域ケア推進ネットワーク会議』を設置している。
★消費生活センターとの連携強化のために、高齢者の現場に携わる機関が集まる「多摩市地域課題会議」や地域包括支援センターの会合などに参加させてもらうように働きかけ「消費生活センター」を知ってもらったり、消費者被害の事例等の情報提供を行っている。
◇「見守りネットワークの取り組みの先進地視察」所感
・「消費者安全確保地域協議会」という組織を作ることが目的ではなく、消費者被害を防ぐことが目的。まずは、関係機関との連携を築くことが先。その先に組織化が見えてくる。
・「消費者安全確保地域協議会」の構築は、福祉部門の見守り体制に消費者被害防止を盛り込んでいく方法が現実的。
・庁内組織の協力、連携体制を構築していくことも重要。
・両市とも関係団体と協定を締結している。ネットワーク構築に当たり、目に見えるものを整える必要がある。
3回目となる呉市消費生活センターと呉市中央地域包括支援センタ-との合同研修会には、高齢者と日常的に接する機会の多い自治会、民生委員児童委員、各介護サービス事業所の方、地域の相談支援事業の方、担当行政の方や専門家の方等、約100名が参加されました。
グループワークでは、「視察報告を聞いて、どんな事に気づいたか?自分の立場や日常生活の中で何ができるのか?」等について話し合われました。
地域や職種を考えてグループ分けされており、活発な意見交換が行われていました。3回目ということもあり、顔の見える関係づくりが徐々にできつつあるようでした。
グループワークでは、個人情報の壁を訴えるグループが多く「消費者安全確保地域協議会」設置の必要性を感じました。「消費者安全確保地域協議会」の設置には、自治体内の関係部署や地域の関係機関等との連携体制が必要です。参加者の方々を中心にネットワークの輪が拡がっていき、「消費者安全確保地域協議会」の設置につながっていくことを期待しています。