消費者問題に関する2015年の10大項目
2015年12月17日 独立行政法人国民生活センター 発表資料より
国民生活センターが、2015年の「消費者問題に関する10大項目」を選定し、公表しました。
2015年は、年金情報の大量流出事件やマイナンバー制度の始動に伴い、それらに便乗した公的機関をかたる不審な電話や詐欺被害が発生しました。また、大手企業がマンションの基礎部分の杭打ちデータを改ざんしていたことが発覚するなどし、消費者の不信感が高まりました。
2015年の10大項目
・公的機関をかたる詐欺的勧誘が依然高水準 高齢者がターゲットに(※1) ・ウイルスメールにより大量の年金情報が流出(※2) ・マイナンバー通知開始 便乗詐欺被害が発生(※3) ・分譲マンションの基礎杭データ改ざんが発覚 大手企業への不信感高まる ・決済手段の多様化によりキャッシュレスが進展 プリカ詐欺も発生 ・消費者トラブルのグローバル化 体制整備始まる ・大規模自然災害相次ぐ 被害に便乗した消費者トラブルも ・子どもの事故 防止へ向けて引き続き取り組みを強化 ・変わる制度 新たな制度 消費者ホットラインも「188」へ ・消費者関連法令 次々と見直し |
(※1)公的機関をかたる詐欺的勧誘が依然高水準 高齢者がターゲットに
・国民生活センターや消費生活センターなどの公的機関名をかたり、「あなたの個人情報が漏れているので削除してあげる」などと電話等をかけてきて、最終的にはお金をだまし取る詐欺が跡を絶ちません。劇場型勧誘の手法で混乱させ金銭をだまし取る手口が一層複雑になり、被害は高齢者が中心になっています。
・不祥事や事件、新たな制度に便乗した不審な電話や詐欺も多く発生しました。
・高齢者については、原野商法の二次被害、SF商法における次々販売・過量販売、物干しざおの移動販売など、過去に苦情が多かった勧誘方法が時代に合わせて変化し、再び相談件数が増加しています。
(※2)ウイルスメールにより大量の年金情報が流出
・5月に、日本年金機構において、職員の端末に外部からウイルスメールによる不正アクセスが行われ、当該機関が保有する個人情報約125万件が流出する事件が発生。消費者の不安が高まりました。
・自分の年金情報が流出したのではないかと不安を感じている消費者に、「あなたの年金情報が流出している」「流出した年金情報を削除してあげる」などといった不審な電話に関する相談も寄せられました。
・電話の相手は、日本年金機構を名乗るケースが目立ち、この他に消費者庁、国民生活センターや消費生活センター、郵便局等の職員を名乗るケースもありました。
(※3)マイナンバー通知開始 便乗詐欺被害が発生
・マイナンバー(社会保障・税番号)制度が始まり、10月からはマイナンバーの通知が開始されました。
・マイナンバー制度の理解が深まっていない現状に乗じ、不正な勧誘や個人情報の取得を行おうとする電話や訪問等に関する相談が寄せられました。電話は、マイナンバー制度やマイナンバーの通知を口実に資産状況や口座などの情報を聞き出したり、何らかの名目で現金を要求するもので、中には言われるままにお金を支払ってしまった例もありました。
2015年12月17日 独立行政法人国民生活センター 発表資料はこちらから