アダルトサイトの相談が5年連続1位に
-慌てて連絡はしない! 焦って支払わない!-
2016年11月10日 独立行政法人国民生活センター 発表資料より
全国の消費生活センター等に寄せられる商品・役務別の相談件数をみると、アダルトサイトに関する相談が2011年度から2015年度にかけて5年連続で1位となっています。
相談内容をみると、消費者がアダルトサイトにアクセスしたところ突然「登録完了」となり、料金を請求されるケースが目立ちます。また、請求画面等にある「退会はこちら」等の表示をみてアダルトサイト業者へ連絡をしたところ、「支払わないと職場に連絡する」等、業者から支払いを迫られる場合も少なくありません。アダルトサイトにアクセスするつもりのない消費者が、誤操作等によりトラブルに巻き込まれる場合もあります。
なお、他の性別・年代に比べて60歳以上の男性の相談は特に増加しており、2011年度は11,143件でしたが、2015年度は17,729件となり、約1.6倍に増加しています。
相談事例
【事例1】パソコンでアダルトサイトが無料と表示があったのでクリックしたら有料登録になり料金請求画面が表示された
【事例2】携帯電話に自動音声で有料アダルトサイトの料金請求の電話があり、指示に従いプリペイド型電子マネーを購入しFAXで送った
【事例3】スマートフォンでアダルトサイトの広告をタップしたらシャッター音がして突然登録された。電話をしたがコンビニで支払うように指示され支払った
【事例4】スマートフォンのアダルトサイトで突然料金請求画面が出たが、無料だと思っていた。支払わなければならないか
【事例5】スマートフォンで誤って広告からアダルトサイトにつながった。料金請求画面が表示され業者に連絡をした。対処法はあるか
相談事例からみる問題点
★登録完了画面や料金請求画面が突然現れ、様々な手口で消費者を不安にさせている
★「退会・解約はこちら」「誤作動の方はこちら」等と表示して、業者へ連絡をさせている
★「支払わないと職場に連絡する」等と支払いを迫る
★相談した先が実は探偵業者で、さらなるトラブルになることも
消費者へのアドバイス
★サイト内のボタンを安易にクリック・タップしないようにしましょう
自分で「無料」「サンプル」というキーワードを含めて検索したからといって、検索結果に表示されたサイトが必ずしも無料サイトであるとは限りません。 また、別の無料サイトや広告等からアダルトサイトに誘導される場合もみられます。さらには、アダルトサイトにアクセスする意図がなくても、誤操作等により、サイトへ誘導されるケースもあります。パソコンやスマートフォンの誤操作等が原因でトラブルになる場合がありますので、画面表示をよく見て、パソコンやスマートフォンの操作に不慣れな場合は慎重な操作を心がけましょう。
★決して業者へ連絡しないようにしましょう
消費者が業者へ連絡をしてしまったために電話番号やメールアドレス等が知られて しまう場合や、業者とのやり取りのなかで個人情報を聞き出され教えてしまう場合もあります。消費者の不安を煽る表示や作動(スマートフォン等の個体識別番号やシャッター音等)がある場合も個人情報の特定や漏えいが起きているわけではありませんので、業者への連絡はしないようにしましょう。
★慌ててお金を支払わないようにしましょう
相談事例をみると、「法的措置に出てほしくなければ支払うように」等と強く請求され支払ってしまうケースがありますが、業者にお金を支払ってしまうと、取り戻すことは困難となります。納得できない請求をされた場合や契約が成立したか分からない場合等は慌ててお金を支払わないようにしましょう。また、利用した覚えが全くない場合は請求を無視しましょう。
★不安に思ったりトラブルにあったりした場合にはお住まいの自治体の消費生活センターに相談しましょう
消費者ホットライン:「188(いやや!)」
※トラブルにあった消費者が消費生活センター等に相談しようと思い、その連絡先等を「アダルトサイト 相談」等のキーワードでインターネット検索したところ、みつけた連絡先が実際は探偵業者等のものであったために、さらにトラブルになるケースがあります。探偵業者はアダルトサイト業者の調査はできますが、解約交渉等をするには弁護士資格等が必要です。また、探偵業者等から調査費用等を請求されることがありますが、消費生活センター等への相談は無料です。
[参考] 表示された画面の消去方法等、技術的な情報については独立行政法人情報処理推進機構 (IPA)のホームページに掲載されています。
2016年11月10日 独立行政法人国民生活センター 発表資料はこちらから