県内の活動紹介 〜地域や関係者の取組〜
成年後見制度について ~広島県行政書士会
広島県行政書士会では、暮らしに根付いた様々な社会貢献活動を行っています。
もめごとを話し合いで解決するためのサポート、成年後見制度利用のサポート、行政書士業務では、広島市各区役所や広島商工会議所で定期的に無料相談を行い、また各支部による無料相談会を広島県内各地で行っています。
相談内容は、遺言、相続、成年後見、交通事故、クーリング・オフ、消費生活、権利義務、法人設立、ビザ(査証)、著作権、土地利用関連、風俗、食品衛生、建設業等の許認可等様々です。
今回は広島県行政書士会会員の行政書士、福島今日子さんに成年後見制度についてお話しを伺いました。
「成年後見制度について」
成年後見制度は、認知症(痴呆)や知的障害、精神障害などで判断能力が不十分な人が、いろいろな手続きや契約を行うときに、法律面で保護したり、生活面の支援をすることで、本人の権利や財産を守るための制度です。
成年後見制度には、すでに判断能力が低下している人のための「法定後見制度」と、将来判断能力が低下したときのために準備しておく「任意後見制度」があります。「法定後見制度」には、本人の判断能力の程度によって、「補助」「保佐」「後見」の3つの類型があります。(広島県ホームページより)
Q、成年後見制度の利用はすすんでいるのでしょうか?
A、利用を考えている人は多く、年々利用者も増えています。ただ、利用を躊躇されている方も多いように感じます。その理由としては、まだ自分は大丈夫だと思っている・財産を人に預けることに抵抗がある等が多いです。
また、申立に手間や費用がかかる・後見開始後の事務報告が大変等の理由で、家族が申立をしない場合もあります。
Q、成年後見制度を利用される方はどんな方が多いですか?
A、介護施設への入所契約の時・不動産を売却する時・相続に関わる時など、必要に迫られている方の利用が多いです。
また、身寄りのない方、家族と疎遠になっている方、家族に迷惑をかけたくないという方の任意後見制度の利用も増えています。
Q、利用を考えた時の注意点はありますか?
A、法定後見の場合、後見開始の審判が確定したら、本人がお亡くなりになる(又は判断能力が回復する)まで後見事務は続きます。途中で面倒になっても勝手に辞任することはできません。
制度の活用は長期的な見通しの中での検討が必要です。正確な知識が必要ですので、専門家への相談が大切です。
Q、消費者被害に遭った場合、後見制度を利用していたら、どうなりますか?
A、高齢者が悪質な訪問販売員に騙されて高額な商品を買わされてしまうなどといった場合も成年後見制度を利用することによって被害を防ぐことができる場合があります。
後見人等が財産の管理を行う場合がありますので、被害の未然防止にもなります。
Q、民生委員やケアマネジャー等福祉関係の方が、後見制度を利用した方が良いと思った場合はどうしたらいいですか?
A、最近では福祉関係の方からの相談もよくあります。
民生委員さんやケアマネジャーさんは、高齢者にとって身近な存在です。少しでもおかしいなと感じた場合は、認知症等の症状が進む前に、事前の対策を考えて欲しいです。後見制度の仕組み、利用の手続きについて等、専門家にまず相談してみてください。制度のことを理解した上で見守りをしていただくと、後見制度の利用がスムーズにいきますので、高齢者に安心して生活して頂けると思います。
お忙しい中、熱心にお話しをしてくださった福島さん、ありがとうございました。成年後見制度の利用を考えている方の状況は様々ですが、正しい知識を持つことがとても大切なことだと思いました。また、費用や手続きの大変さなどで利用を躊躇している方は、まずは、専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
福島さんは、広島県行政書士会広島支部の理事であり、また、成年後見支援、生活支援サービス、見守りサービスなど、高齢者や障がい者の方が安心して暮らせるサービスを提供している、一般社団法人 ライフアシストみらいの副理事長でもあります。
成年後見制度についての無料相談等も行っていますのでご利用ください。
広島県行政書士会 http://www.hiroshima-kai.or.jp/
成年後見制度の仕組みについてはこちらをご覧ください
広島県ホームページ https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/syouhiseikatumametisiki/1174528122001.html