2015年度のPIO-NETにみる消費生活相談の概要
2016年8月18日 独立行政法人国民生活センター 発表資料より
この概要は、国民生活センターと消費生活センター等を結ぶ「全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET:パイオネット)(※1)」によって収集した2015年度の消費生活相談情報をまとめたものです。
(※1)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデーターベースのこと。
2015年度のPIO-NETにみる消費生活相談の傾向と特徴
★2015年度の相談件数は、92.6万件で、2014年度(96.0万件)に比べ減少した。高齢者からの相談や金融商品に関する相談の減少が影響している。
★利用した覚えのないサイト利用料の請求など「架空請求」の相談が2014年度に比べ1.2倍に増加した。
★契約当事者の年齢をみると60歳以上は34.3%であり、依然として割合は大きいが、2014年度以降は減少傾向にある。
★2014年度に引き続き「インターネット接続回線」「移動通信サービス」「携帯電話」など情報通信分野の相談が増加した。
★「社会保険」などをかたる「還付金詐欺」は2011年度から2015年度の5年間で10倍以上も増加している。
★「ファンド型投資商品」「公社債」「株」など金融商品の相談は減少傾向にある。これらの金融商品の平均契約購入金額・既支払金額が大きく減少した影響を受けて、全体の平均金額・合計金額ともに低くなった。
★「アダルト情報サイト」に関する相談は減少しているものの、2011年度以降5年連続で第1位となった。「アダルト情報サイト」とのトラブル救済をうたう探偵業者等に関する相談は増加した。
★「通信販売」に関する相談が増加し、全体の約35%を占めた。
2015年度の商品・役務の特徴
◆増加の目立つ商品・役務等
★インターネット接続回線、移動通信サービス、携帯電話、インターネット通信関連サービス、直収型固定電話(※2)
「インターネット接続回線」では、光回線の契約に関する相談の中でも特にNTT東西から光回線サービスの卸売を受けた事業者(光コラボレーション事業者)が提供する光回線サービスに関する相談がみられました。「移動通信サービス」「携帯電話」では、モバイルデータ通信やスマートフォンの勧誘時におけるサービスについての説明不足による解約などの相談が目立ちました。「インターネット通信関連サービス」では、インターネット関連の有料会員サービスに関する相談などが寄せられました。「直収型固定電話」では、直収型固定電話サービスの終了に関する相談などがみられました。
(※2)直収型固定電話サービスとは、NTT東日本・西日本を介さずに利用者が直に個々の通信会社に加入する形の固定電話サービス。
★健康食品、化粧品
消費者がホームページやSNS等で広告を見て、「お試し価格」「初回無料」など通常価格より安い価格で健康食品や化粧品を購入したところ、実際は定期購入契約だったという相談が増加しました。
◆減少の目立つ商品・役務等
★「アダルト情報サイト」に関する相談は、2014年度に比べて16,555件減少しましたが、依然として最も多い相談です。利用料が有料であるという認識がないままサイトを進んでいくと、登録となり、料金を請求されたという相談がほとんどです。また、スマートフォンの普及に伴い、スマートフォンでサイトを閲覧しているケースも目立ちます。「出会い系サイト」は、相談件数は減少しましたが、SNSをきっかけとした相談は増加傾向にあります。
★「ファンド型投資商品」、「公社債」、「株」では、「A社(販売会社)のパンフレットは届いていないか。代わりに購入すれば高値で買い取る」などと販売会社とは異なる勧誘業者(B社)が電話で勧誘をする「劇場型勧誘」に関わる相談が2011年度に多く寄せられましたが、近年は減少傾向にあります。
2016年8月18日 独立行政法人国民生活センター 発表資料はこちらから