「大雪で歪んだ」などと自宅の不具合を指摘して不安をあおる「点検商法」
-高齢者を中心に、自宅を大切に思う気持ちにつけ込まれています-
2018年3月1日 独立行政法人国民生活センター 発表資料より
住宅の屋根や床下を「無料で点検します」と突然自宅に訪問してきた業者から「このままでは大変なことになる」などと不安をあおられ、不要不急の住宅リフォーム工事や建物清掃サービス等をさせられたというトラブル(いわゆる点検商法)に関する相談が寄せられています。
また、大雪などの自然災害で壊れた箇所等を火災保険で修理ができるといって工事の契約を勧めたり、点検の際に撮影したという動画等をみせるなどして執拗(しつよう)に修理を迫ったりしているなどの事例も目立ちます。
相談事例
契約を急がせる、不安をあおるなど、契約当事者に正しい判断をさせない事例
【事例1】 屋根を点検した後、工事をせかされ、見積もりの前に契約書にサインさせられた。
次々に契約させられた事例
【事例2】床下を点検させたら、基礎補強、防カビ・防虫、トイレ工事など次々に勧誘された。
火災保険の申請を勧められた事例
【事例3】火災保険で雨どいの修理ができると言われ、業者の指示通りに保険会社へ申請したが、「雨どいに支障はない」と言われた。
相談事例からみられる問題点
1.高齢者のトラブルが多い。認知症の高齢者もトラブルに巻き込まれている。
2.点検をきっかけに消費者の不安をあおって契約させる。動画等で不安をあおることも。
3.一度契約すると、他の場所も点検したいと言って次々と契約させようとする。
4.損害保険金で工事代金が賄えると勧誘してくる。高額な手数料を請求されることも。
消費者へのアドバイス
1.「点検させてほしい」と訪問してくる業者には応対しないようにしましょう。
2. 点検する場合は、点検結果を冷静に確認し、業者の話をうのみにしないようにしましょう。
3.その場で契約しないようにしましょう。
4. 契約するときは契約書の内容をしっかり確認しましょう。
5.火災保険での修理をもちかけてくる業者との契約は避けましょう。
6.クーリング・オフや契約の取消しを行うことができます。
7.早めに相談しましょう。
※住まいるダイヤル:0570-016-100
住まいるダイヤルは、 国土交通大臣から指定を受けた住宅専門の相談窓口であり、 住宅の取得やリフォームに関してトラブルや不安を抱える消費者等に対して、電話相談を行っています。
※家族や周囲の方へ
点検商法は高齢者のトラブルが特に多いことから、被害を防ぐためには、家族や近所など周囲の人の協力が非常に重要となります。日頃から家族や周囲の人が高齢者本人の居室・居宅の様子、言動や態度に注意を向け、少しでも変化を感じたら「困ったことはありませんか」などの声を掛けることも被害防止には大切です。特に、業者が出入りしている様子を見た場合は、積極的に声をかけてください。
2018年3月1日 独立行政法人国民生活センター 発表資料はこちらから
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20180301_1.pdf
※啓発リーフレット「点検商法 リフォーム工事心得」はこちらから
(啓発用資料としてご自由にご活用ください。)