県内の活動紹介 〜地域や関係者の取組〜
府中市地域包括支援センターの取組紹介
府中市地域包括支援センターでは、府中警察署、民生委員児童委員協議会、関係諸団体と連携し、高齢者の消費者被害を未然に防ぐ等、高齢者の権利擁護に熱心に取組んでいらっしゃいます。
府中市健康福祉部長寿支援課長の唐川さんに府中市地域包括支援センターの取組についてお話を伺いました。
◆府中警察署・民生委員児童委員協議会・関係諸団体との連携
府中市地域包括支援センターでは、毎月開催されている「府中市民生委員児童委員協議会地区会長会議」に参加し、意見交換、連携をはかっている。
★平成27年度から府中市警察署が定例参加する仕組みができ、府中警察署からの情報が定期的に届けられるようになった。
●府中警察署の情報の一例(府中市内の発生状況)
・ATMを利用し確認番号と称して6桁の数字を入力させ、498765なら49万8765円の被害にあう還付金詐欺事例。
・アマゾンギフト券を利用し番号部分のみを写メールで送信させる詐欺被害事例。
・「詐欺の犯人を捕まえたところ共犯者に銀行の行員がいたため、すぐに貯金を避難しなければ引き出される可能性がある」と電話がかかってきた事例。
★府中警察署からの紹介で県警のメルマガに登録し、民生委員児童委員が情報を事前に入手することにより、同種の被害からの抑止に役立てている。
★特殊詐欺被害防止の「卓上のぼり旗」の配布を行う。
・府中警察署の呼びかけに応じ、市内の保育所・幼稚園の児童が、高齢者に向けて呼びかける「卓上のぼり旗」を作成。民生委員児童委員の協力を得て、市内の一人暮らし・高齢者のみの世帯など約1,500世帯に配布。
・市内のある地区の民生委員児童委員協議会では、管内の小学校の児童の協力で同様の「卓上のぼり旗」を作成し、府中警察署の配布で行き渡らなかった高齢者約250世帯を対象に配布。
★消費者被害等の報告を行う。
・古着や古布団を回収しますという電話があり、依頼すると宝石を処分してあげるという被害にあった高齢者があり、情報共有して対応している。
・府中警察署を名乗ってマイナンバーに関する詐欺まがいの電話が高齢者宅にあったが、まだ番号が届いていないため、被害はなかった。
・特別養護老人ホームへの入所優先権を5万円で譲るという詐欺事案(郵送)は、高齢者からの相談を受けて未然に防止できた。
高齢者に関わる機関の方々が多数参加されている会議の中で、消費者被害についての報告をし、対処方法を検討することは、次の被害を防ぐことにもつながります。
ケアマネジャーや民生委員児童委員等との関わりのある高齢者は、日常的な見守りや声かけがあり、未然に被害を防ぐ可能性が比較的高いそうです。
府中市地域包括支援センターでは、行政、警察、民生委員児童委員、社会福祉協議会、関係諸団体との連携をはかり、消費者被害等の未然防止につなげています。