アダルトサイトの相談が年間で10万件を突破!
2015年4月23日 独立行政法人国民生活センター 発表資料より
近年、全国の消費生活センターに寄せられる商品・サービス別の相談件数をみると、アダルトサイトに関する相談が1位となっています。2014年度には、ついに過去最多の10万件を超える相談が寄せられました。
契約当事者の属性を分析してみると、男女を問わず相談が寄せられており、最近では60歳以上の消費者からの相談も増えています。
相談事例
【事例1】アダルトサイト業者から次々に利用料を請求され、高額な料金を支払ってしまった
「有料アダルトサイトの利用料が払われていない」というメールがスマートフォンに届いた。驚いて、サイト業者に電話したところ、「昨年9月末に登録されている。25万円払ってくれれば翌日保険が適用になるので返せる」と言われ振り込んだ。翌日、同じ業者から「3サイト登録されているが、ここも保険が使えるので75万円払ってくれ」と言われ振り込んだ。その翌日、「保険の手続きをしていたら違う会社からも請求があった」と言い、銀行では一回で振り込むことのできる金額に制限があるため、90万円を何回かに分けて口座に振り込むよう指示された。
【事例2】タブレット端末で歌手の動画を見ようとしたら、アダルトサイトに登録された
タブレット端末を使って、歌手の動画を見ようと、動画サイトをタップしたつもりが、表示された18歳以上かを確認する年齢確認ボタンをタップしてしまった。すると、突然、アダルトサイトの会員登録完了の画面が表示された。「誤操作の方は24時間以内に連絡するように」との表記があったので、その連絡先の電話番号に自宅の固定電話から電話をして、「誤作動なので取り消してほしい」と伝えた。しかし、業者からは「すでに登録は完了している。180日間は利用料金が無料だが、登録費用9万9000円の支払い義務がある」と言われた。
【事例3】アダルトサイトを見ていたら、請求画面の表示と同時にシャッター音がした
スマートフォンで無料のサイトと思ってアダルトサイトを見ていた。しかし、「再生ボタン」をタップすると、突然、カメラのシャッター音がして、「有料登録が完了しました。ありがとうございます。料金は10万円です」という画面が表示された。
消費者へのアドバイス
★無料だと思っていても、料金を請求されることがあるので、不用意にアクセスしない
自分で「無料」という言葉を入れて検索したからといって、必ずしも無料サイトであるとは限りません。別のサイトや広告等からアダルトサイトに誘導される場合もあります。
1回のクリック等ですぐに有料登録になるのではなく、利用規約等への同意を求める表示や、「はい」「いいえ」のボタンがあるとき、再生ボタンを複数回押させるとき等は、有料であることが多いようです。
★業者に決して連絡しない
料金の請求画面を表示させる際、IPアドレスやスマートフォンの個体識別番号等が表示されることがありますが、それによって業者が消費者の名前や住所、連絡先等を特定しているわけではありません。
請求画面等には、「退会はこちら」「誤操作の方はこちら」などのボタンが用意されていますが、押してはいけません。これらのボタンを押すことで業者に連絡してしまい、業者から請求を強く求められるだけでなく、個人情報を教えてしまうことにもつながります。特にスマートフォンを利用している場合、すぐに電話発信やメール送信ができ、業者につながってしまいます。決して業者に連絡しないようにしてください。
★お金は支払わずに、最寄りの消費生活センター等に相談する
身に覚えのない請求をされ、請求内容に納得できない場合には、あわてて支払ってはいけません。業者に支払ってしまうと、トラブルに気付いて返金を求めようにも連絡がつかない等、お金を取り戻すことは困難です。不安に思った場合には、業者に連絡をとったり、支払ったりせず、最寄りの消費生活センター等に相談しましょう。
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