こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル
-料金や作業内容に関するトラブルが発生しています-
2018年7月19日 独立行政法人国民生活センター 発表資料より
親族等が死亡した後、故人が所有していた物の整理、処分等を事業者に依頼する、いわゆる「遺品整理サービス」は、核家族化や高齢者の独居世帯の増加という社会の変化の中で注目されています。しかし、全国の消費生活センター等には、「高額な追加料金が発生した」「処分しない予定の遺品が処分された」など、料金や作業内容に関する相談が寄せられています。
相談事例
[事例1] 作業時に予定外の料金を請求され、最終的に見積金額の2倍の費用を請求された
一人暮らしをしていた母が亡くなり、実家の遺品整理のため、インターネットで検索した事業者に電話して見積もりに来てもらった。見積金額は141,000円で、その内訳はスタッフ4人の人件費が76,000円、2トントラック1台25,000円、トラック1台分の廃棄物処理代4万円だった。他社との見積もりと比較して、この事業者に作業を依頼し、昨日作業に立ち会った。
事業者はトラック1台分の荷物を積み込むと、4万円を先払いしてもらわないと廃棄物処理ができないと言うので現金で4万円を支払った。その後も荷物の処理のため、3往復し、その都度4万円を支払ったが、時間内に作業が終わらず荷物はまだ残っている。事業者から請求された金額は32万円で当日持ち合わせていた20万円を現金で支払ったが、残金12万円を請求されている。見積もりの際、廃棄する荷物が多ければ追加費用が発生するという説明は聞いていない。見積書にもその記載はなく、契約書もない。残った荷物を廃棄して、見積金額以上の金額を返してほしい。(60歳代、女性)
[事例2] 処分しないようにと頼んだ物を勝手に処分された
母が亡くなったので遺品を処分するために、インターネットで探した事業者3社から見積もりをとった。一番安い事業者に依頼し、2カ月前に作業員3人に作業してもらった。その場で自分が不要か必要か判断して近くにいた作業員に指示を出し、2トントラック3往復分の遺品を運び出してもらったが、翌日ラジカセがないことに気がついた。その後もDVDプレーヤー、ゲーム 機、布団、辞書がないことが分かった。これらは自分の物で、遺品と分けて事業者に処分しない ように指示したものであるが、誤って別の作業員が運び出したようだ。作業も遺品を乱暴に扱うなど雑であった。どうにかして取り戻したい。(50歳代、男性)
相談事例からみる問題点
★契約内容について十分な検討をしないまま契約しトラブルになることがある
★高額なキャンセル料を請求されることがある
★作業当日、追加料金を請求されてトラブルになることがある
★残しておくはずの大切な遺品を誤って処分されるなどサービス内容によってトラブルになることがある
消費者へのアドバイス
★複数社から見積もりを取るなど、事業者の選定は慎重に行いましょう。
★作業内容や費用を明確に出してもらうなど、見積書の内容を十分に確認しましょう。
★料金やキャンセル料、具体的な作業内容について事前に確認するようにしましょう。
★残しておく遺品と処分する遺品を明確に分けておくようにしましょう。
★事業者とトラブルになった場合には消費生活センターに相談しましょう。
消費者ホットライン:「188(いやや)」番
独立行政法人国民生活センター「遺品整理サービスを利用するときの手引き」をご活用ください
2018年7月19日 独立行政法人国民生活センター 発表資料はこちらから