家庭用電気マッサージ器による危害
~体調を改善するつもりが悪化することも!特に高齢者は注意が必要~
2016年3月 独立行政法人国民生活センター くらしの危険330号より
体の疲れを癒すための「家庭用電気マッサージ器」ですが、全国の消費生活センターには、「電器店でマッサージ器を買って3日目に圧迫骨折した」「フットマッサージ器を使用していたところ、太ももが内出血した」といった相談が寄せられています。
時には大きな事故につながる可能性があるため、使用する際は操作方法などを理解して使う必要があります。
こんな事故が起きています
事例1 腰痛持ちで腰によいと宣伝されていたマッサージチェアを家電量販店で購入した。1日に1~2回、初期設定のまま8日間使用したら腰が痛くなった。診察を受けたところ、骨が脆くなっているのにマッサージ器で背骨をぐるぐる擦ったため骨が削れていると言われ、骨が固まるまで入院して寝たきりとなった。取扱説明書とは別の小さな紙には「腰が痛い場合は気を付けてください」とあったが、購入時に何の注意事項もなかった。(80歳代 女性)
事例2 インターネット通販で足の電気マッサージ器を購入した。使ってみたところ、揉む力が強く、きつく締めつけられ足が痛かったため、停止ボタンを押した。しかし、すぐには止まらず、しかもきつく締めつけられた状態で止まった。今も足がしびれたような状態だ。痛くて使えないので返品したい。(30歳代 女性)
事例3 母に贈ったマッサージ器で母の肩と胸の骨が折れた。店に苦情を言うと商品を引き取りにきたが今後の対応がどのようになるのだろうか。母は骨粗鬆症と言われたことはない。(80歳代 女性)
事故を防ぐために
★使用が禁止されている疾病があります。購入する前や使う前には販売店や医師に確認しましょう。
購入する際や体験する際に使ってはいけない疾病等があることについて、必ずしも表示や説明があるとは限りません。治療中の疾病等がある場合は、使っても良いかメーカーや販売店、医師に確認しましょう。
★店舗等での体験でも事故が発生しています。まず機器の操作方法を知りましょう。
購入した場合は必ず取扱説明書を読み、店舗内で体験する際にも販売員等に訊ねるなどして操作方法を理解してから使いましょう。
★安全のため、使用する際はまず「弱」の強さから始めましょう。
電源を入れた状態のまま作動させると中程度の刺激で動き始める機器があります。また、購入後、数か月使い慣れた機器でも事故が発生しています。使うときや体験する際には、まず弱い刺激から使いましょう。
★身体に異常を感じた時には直ちに中止しましょう。
家庭用電気マッサージ器の使用中に異常や危険を感じた際に直ちに停止できるよう必ずリモコンを手に持つもしくは手の届く範囲に置いておきましょう。
★使用する前に機器の状態を確認しましょう。
駆動部のカバーが外れたため髪が巻き込まれたうえ首が挟まれた事例もありました。カバーの破れやズレなど外観上の異常がないか使用前に必ず点検しましょう。
2016年3月 独立行政法人国民生活センター くらしの危険330号はこちらから
(啓発用資料としてご自由にご活用ください。)