高さが調節できる入浴用いすの脚の破損に注意
-脚の高さ調節機構の不具合により、転倒する事故が発生-
2016年9月15日 独立行政法人国民生活センター 発表資料より
全国の消費生活センター等には、2011年度以降の5年間に、入浴用いすの品質に関する相談が65件寄せられており、「いすの脚が短くなり転倒した」など、いすの脚の高さ調節機構の不具合と考えられる事例は6件あり、そのうち1件は転倒によってけがを負っていました。入浴用いすは主として高齢者が使用するものであり、裸の状態で使用することから、使用中に脚に不具合が発生した場合には、転倒し、けがを負う危険性が考えられます。
そこで、一般家庭等で実際に使用されている入浴用いすの脚の高さ調節機構の状態を調査するとともに、現在販売されている入浴用いすの脚の高さ調節機構も調査しました。
使用していた高齢者向け入浴用いすの調査結果
一般家庭や介護施設で1年以上使用していた入浴用いすの提供を受け、使用状態を調査しました。
★脚(高さ調節機構)の調査
1年以上使用していた入浴用いすの5分の1以上(34脚中7脚)に脚の高さ調節機構のバネにさびが発生しており、さびが発生した7脚はいずれも鉄製のバネが使用されていました。
★使用履歴に関する調査
使用期間が短い入浴用いすにもさびが確認されました。
消費者へのアドバイス
★入浴用いすの脚の高さ調節機構が破損していないかよく確認しましょう
一般家庭や介護施設等で1年以上使用していた入浴用いすを調べたところ、5分の1以上でバネにさびが発生していました。さらに、現在販売されている10銘柄について耐久性試験を実施した結果、鉄製のバネを使用した2銘柄にさびが発生しました。高さ調節機構の付いた入浴用いすは、主として高齢者が使用するものであり、裸の状態で使用することから、使用中に脚が破損した場合には、転倒し、けがを負う危険性があります。 入浴用いすの脚の高さ調節機構が破損していないか、各脚のプッシュボタンが調節穴から大きく飛び出した状態でロックされているか使用前によく確認しましょう。また、ねじのゆるみなど各部に異常がないかもよく点検しましょう。
★バネにさびが発生している場合は使用を中止しましょう
脚を取り外して内部を懐中電灯で照らすと、バネにさびが発生していないか目視で確認できる場合があります。確認してバネにさびが発生している場合は使用を中止しましょう。
★入浴用いすを購入するときはバネがステンレス製のものを選びましょう
脚の高さ調節機構のバネは鉄製のものはさびてしまいますが、ステンレス製のものはその心配が少なくなります。入浴用いすを購入するときは表示を確認してバネがステンレス製のものを選びましょう。バネの材質の表示がない場合は、購入前に販売元等に問い合わせしましょう。
2016年9月15日 独立行政法人国民生活センター 発表資料はこちらから
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