県内の活動紹介 〜地域や関係者の取組〜
東広島市のサロンで第2回「ご近所サロンde詐欺防止」が開催されました
広島県社会福祉協議会では、高齢者等の消費者被害の未然防止や拡大防止のため、「ふれあいサロン」等を拠点に、高齢者等の消費者被害防止事業「ご近所サロン de 詐欺防止」に取り組んでいます。
1月17日、東広島市西条町三永のサロン「なごみ会」で第2回「ご近所サロンde詐欺防止」の研修会が行われ12名の方が参加されました。
◆1回目の研修会(10月28日)では、東広島市消費生活センター、東広島警察署の担当者が消費者被害や特殊詐欺についての事例や最近よくある手口を紹介した後、啓発も兼ねたアンケートや、相談できる人「お頼りさん」づくりを行いました。
今回、1回目の研修会を受けた後、実際に不審な電話や訪問があったかどうか尋ねたところ、7名の方が不審な電話がかかってきたと答えました。特に多かったのは不要品を買い取るという電話で、その他では、布団、化粧品、太陽光発電等の勧誘電話がありました。前回の研修会を思い出し、皆さんきっぱりと断ったそうです。
◆研修会
講師 東広島市生活環境部市民生活課 溝部淳紘さん
「世の中にはだます人がいて、被害は確実にある。今まで被害に遭わなくても、明日被害に遭うかもしれない。自分の身を自分で守るためには、守ろうという意識が必要。自分の身におこるかもしれないと思って話を聞いてほしい。」と前置きし、前回の復習もかねて、東広島市での被害状況、クーリング・オフの説明、事例紹介等を行いました。
★事例紹介
【劇場型買え買え詐欺】
まず、知らない業者からパンフレットが届く。パンフレットの内容は、その時の流行に乗ったもの(最近では東京オリンピックや老人ホームの入居権等)が多い。
その後、「そのパンフレットが欲しい」「名義だけ貸して」と数社から電話がかかってくる。パンフレットだけではだまされないが、多くの人が欲しがったら欲しくなる心理を利用される。また、名義を貸した人には「名義貸しは犯罪」と脅してくる。
【「マイナンバーの手続きに必要なので教えて」と個人情報を聞き出す電話】
マイナンバー制度を利用して、個人情報を狙っている悪質業者がいることを自覚しておく。
公的機関がマイナンバーを聞き出すような電話をすることはない。
★注意して身を守っていても被害に巻き込まれることはある。そんな時には相談することが大切。一人では冷静な判断ができないので、家族、友人、近所の人、公的機関等、とにかく誰かに相談して欲しい。
◆第1回研修会で行われたアンケートの結果報告
(サロンに来られない方へは、民生委員に頼み個別訪問し、お頼りさんづくりやアンケートを行う)
・サロンに参加している人は、参加していない人に比べて、地域活動に熱心で、悩み事を近所の人や友人に相談すると答えた人が多い。
・「相談できたら良いか」という質問に「あまり必要ない」と答えた人は、サロンに参加していない人がより多く、その理由としては「自分で判断できるから」だった。
・実際に勧誘を受けたことのある項目で多かったのは訪問販売と建物点検。業者がよく来ているようだ。
◆2回の研修を終えて、参加者の方は、最新の事例を知り、きっぱりと断ること、誰かに相談することの大切さをしっかり学ばれました。
サロン参加者には帰宅後、近所の友人等に対し、井戸端的な会話の中で、研修の内容を発信してもらうようお願いしています。地域全体で詐欺被害を防いでもらいたいのです。
また、「ご近所サロンde詐欺防止」事業実施のために、各地域では地域連絡会議を2回行っています。社会福祉協議会、民生委員、行政、警察、自治会、サロン世話人等、多くの機関が関わることによって、高齢者等の消費者被害の未然防止や詐欺被害への早期対応をすすめます。この取組を通して、住民同士、関係機関とのつながりを深め、地域の誰もほっとかない「ひとりぼっちにさせない地域づくり」を目指しています。