県内の活動紹介 〜地域や関係者の取組〜
悪質業者に対する行政機関の取組
県内では、高齢者が、特殊詐欺や悪質商法によって被害を受けるケースが後を絶ちません。
被害の防止のためには、一人一人が気をつけ、また、周囲の見守りも大切ですが、原因者である詐欺グループの検挙や悪質業者に対する処分・指導も重要です。
県内での警察や行政機関の取組を紹介します。
■広島県警~特殊詐欺の検挙・抑止の取組
広島県警によると、昨年、広島県内で発生したなりすまし詐欺、還付金詐欺、投資詐欺などの特殊詐欺の認知件数は256件、被害額は10億円を超えるなど、極めて深刻な状況となっています。
★警察本部長を長とした「特殊詐欺対策推進本部」を設置
(なくそう犯罪通信 平成26年3月号より)
警察本部長を長とした「特殊詐欺対策推進本部」が平成26年2月18日に設置されました。特殊詐欺被害の防止に向けて、検挙・抑止の両面から、次の5つの重点戦略を推進します。
① 「現金送付型」に重点を置いた広報啓発活動等の推進
・「現金送れは全てサギ!」の定着化等
② 被害直後における実被害防止のための初動警察措置の徹底
・発生時の迅速な対応の徹底等
③ 犯行ツールの無力化の徹底
・迅速な口座凍結等の実施等
④ 犯行グループの壊滅に向けた※突き上げ捜査等の徹底
・犯行グループの実態解明・摘発等
⑤ 助長犯罪等の徹底検挙
・口座凍結等による※助長犯罪の徹底検挙等
※突き上げ捜査とは、検挙した犯罪者から、上位被疑者の検挙、犯行拠点の摘発等につなげていく捜査です。
※主な助長犯罪としては、譲渡・転売目的で銀行口座の開設や携帯の契約をし、他人に通帳やキャッシュカード等を譲渡することなどがあります。
★特殊詐欺に使われたパンフレット等の公表
平成26年1月16日から、特殊詐欺に使用されたパンフレット等が、実態のない架空会社名義のものであり、正当な金融商品取引のためのものではないと認められる場合には、そこに記載された会社名、住所地を広島県警察のホームページにて公開しています。
広島県警察ホームページ 「特殊詐欺に使われたパンフレット等の公表」はこちらから
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/police/tokushu-kaishamei.html
★身近な犯罪情報について、メールマガジンを配信
主に広島県在住の方を対象に、「防犯情報」や「県警からのお知らせ」を各警察署からメールで配信しています。
■中国経済産業局、広島県 ~悪質業者に対する行政処分・指導
中国経済産業局と広島県では、悪質な業者に対して、特定商取引法に基づく行政処分や指導を行っています。
★中国経済産業局
中国経済産業局は、平成25年12月5日、家庭用温熱治療器「温寿(おんじゅ)」や健康食品「海龍源(かいりゅうげん)」の訪問販売を行っている『株式会社一心』(山口県防府市)に対し、特定商取引法に基づく業務停止命令(6か月)及び指示を行いました。
同社は、「温寿」の販売にあたって、商品の体験であるかのように告げるだけで、勧誘する目的である旨を明らかにせず(勧誘目的不明示)、消費者が「要らない」などと意思表示したにもかかわらず継続して勧誘し(再勧誘)、消費者が「温寿」を契約しないと帰ってくれないと思うくらい長時間にわたり執拗に勧誘を続けていました(迷惑勧誘)。また、「温寿」や「海龍源」にそのような効能を裏付ける合理的な根拠がないにもかかわらず「万病に効きます」、「認知症にならない」などと告げ(不実告知)、クーリング・オフができる消費者に対し、「一旦買ったものは返せません」などと告げていました(契約解除についての不実告知)。
中国経済産業局 公表資料はこちらから
http://www.chugoku.meti.go.jp/info/press/h25/1205.pdf
★広島県
広島県は、平成25年11月28日、印鑑・仏具等の訪問販売業者『三宝舎』に対し、特定商取引法の規定に基づく業務停止命令(12か月)を行いました。
この事業者の代表者である伊澤和昭氏は、今回と同様に法違反行為を行ったとして平成24年9月に広島県及び岡山県が行政処分(業務停止命令6か月)を行った「株式会社文化」の元代表者であり、同人は、この処分後も、広島県及び岡山県の両県で違反行為を繰り返していたため、広島県は、岡山県と連携して行政処分に向けた調査を行い、勧誘目的等不明示、再勧誘、不実告知、迷惑勧誘を行っていたとして、岡山県と同時に行政処分を行いました。
広島県 公表資料はこちらから
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/41/tokusyouhouihan251128.html
詐欺グループの検挙や悪質事業者に対する行政処分・指導は、被害の未然防止、拡大防止にたいへん有効です。
犯罪者の検挙や行政処分のきっかけは、消費者からの連絡・相談です。
消費者被害に遭った場合だけでなく、被害に遭いそうになった時は、警察署やお住まいの市町又は県の消費生活相談窓口にご連絡ください。
泣き寝入りは、悪質事業者の思うつぼです。悪質事業者をはびこらせないためにも、被害者を減らすためにも、消費者一人一人の協力が必要なのです。