「ねらわれてます!高齢者 悪質商法110番」実施結果
2015年10月30日 独立行政法人国民生活センター 発表資料より
近年、高齢者の消費者被害が多発しています。国民生活センターでは、敬老の日(9月21日(月))にちなみ、9月10日(木)、11日(金)に「ねらわれてます!高齢者 悪質商法110番」(以下「高齢者110番」という)を実施しました。
「高齢者110番」では、2日間で12件の相談が寄せられました。
主な事例
【事例1】暗号通貨のパンフレットを買い取るという電話が突然かかってきた
突然自宅に知らない者から電話があり、具体的な業者名を挙げて「その会社から黄色い封筒が届いたら8,000円で買い取るので、電話して欲しい」と言われ、電話番号を告げられた。
数日後、実際に黄色い封筒が届いた。封筒の中にあるパンフレットには、「世界第2位の暗号通貨」「発行枚数が限られているので持っていると価値が上がる」「今しかできない資産運用」などと書かれており、何かの通貨の購入を勧めているようだ。
電話をしてきた相手には連絡を取らないつもりだが、それでよいか。もし、相手から電話がかかってきたら、何と答えればよいか。
最近、警視庁を名乗るところから「あなたの個人情報が漏れている」という電話もあり、不安だ。
【事例2】アダルトサイトを見ていたら請求画面が表示されてお金を支払ってしまった
パソコンでアダルトサイトを見ていたら、いきなり請求画面が表示された。焦っていたのであわてて業者に電話をしたところ、相手から約20万円を請求された。
支払いは、業者に指示された通り、コンビニでプリペイド型電子マネーを購入し、番号をファクスで事業者に送ってしまった。その後、業者からと思われる電話があったが出ていない。今後も請求が続くか心配である。返金して欲しい。
【事例3】スマートフォンに「サイト未納料金がある」というメールが届いた
スマートフォンに「サイト未納料金がある。放置すれば法的手続きを取る」という内容の簡易メールが届いた。
身に覚えはないが相手に電話をしたところ、「約2カ月前にサイトに登録されており、放置されている。登録料39万8,000円を支払うように」と言われた後、「裁判所からの書類を待つように」と言われて電話が切れた。登録料を支払わなければならないか。
消費者へのアドバイス
(1)劇場型勧誘(買え買え詐欺)には十分注意し、不審な電話はすぐに切りましょう
複数の者が役回りを分担して高齢者をだまそうとする「劇場型勧誘(買え買え詐欺)」には十分な注意が必要です。「名義を貸して…」「代わりに買って…」などと持ちかけてくる不審な電話がかかってきたら、相手にせずにすぐに電話を切ってください。
(2)留守番電話機能なども利用しましょう
不審な電話勧誘への対策として、留守番電話機能を利用し、かかってきた電話には出ず、必要に応じて後でかけ直すようにする方法が有効です。また、発信者番号表示機能のある電話を使用している場合には、番号非通知や知らない番号からの電話には出ないという方法もあります。
さらに、事前警告を発したうえで自動的に通話内容を録音する「通話録音装置」や、不審な電話番号としてあらかじめ登録されている電話番号からの着信を自動的に着信拒否する「自動着信拒否装置」といった新しい「防犯アイテム」もあります。
(3)身に覚えのない請求をされても、あわてて支払ってはいけません
アダルトサイトなどの閲覧中にいきなり請求画面が表示され、請求内容に納得できない場合や、メールで身に覚えのないサイト未納料金を請求されたりした場合は、あわてて支払ってはいけません。
(4)少しでも疑問や不安を感じた場合は、すぐに消費生活センター等に相談しましょう
少しでも疑問や不安を感じたら、申込みや契約をしたり、お金を払ったりする前に、すぐにお近くの消費生活センター(消費者ホットライン188)等に相談しましょう。
(5)高齢者の消費者トラブルを防ぐためのポイントは、家族や周囲による“見守り”と“気づき”です
高齢者の消費者トラブルを防ぐために、日頃から家族や周囲の人が高齢者本人の居室・居宅の様子、言動や態度に変化や不審な点がないか気をつけましょう。地域の見守り活動やネットワーク作りに取り組んでいる自治体もあるので、こうした活動を利用する方法もあります。
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