三輪自転車の走行特性に注意
-高齢者が転倒し骨折した事例も-
2019年3月14日 独立行政法人国民生活センター 発表情報より
「三輪自転車で転倒し骨折した」「車体が不安定で乗りこなせない」等、大人向けの三輪自転車に関する相談が寄せられています。
三輪自転車は二輪自転車より安定性があるように思われがちですが、走行中の挙動は二輪自転車とは異なり、カーブ走行や左右に傾斜した路面を走行する場合には、三輪自転車であっても転倒する危険性があるため、運転には注意が必要です。
三輪自転車のスイング機構について
・後2輪の三輪自転車の多くは、車体前部をスイングさせる(左右に傾ける)ことができるスイング機構を備えています。
・スイング機構にはバネが内蔵されており、傾けた車体を垂直状態に戻す復元力が働きます。
・スイングさせて走行すると、二輪自転車と同様にカーブで車体ごと体を傾けることができるため、二輪自転車に乗れる人にとっては違和感なく運転できるとされています。他方、常にバランスを取りながら走行しなければならないので、二輪自転車に乗れない人がすぐに運転するのは困難だと考えられます。
・スイング機構を備えたものの中には、付属の固定金具を取り付けることにより垂直状態に固定できるものや、ハンドルバーに装着されているスイング切替レバーを操作することにより垂直状態に固定できるものがあります。
消費者へのアドバイス
★三輪自転車に関する相談の約7割が70歳以上であるなど、高齢者の方の用途で購入している商品であると考えられます。三輪自転車の購入や使用を考えている場合は、使用者の適応能力や道路環境を合わせて検討してください。
★三輪自転車は二輪自転車と走行特性が異なります。三輪自転車を購入する際は、二輪自転車に乗れる人でも可能な限り事前に試乗し、購入後には平たんな路面で十分に練習してから公道で使用するようにしましょう。
★後2輪のスイング機構を固定して走行すると、カーブ走行や傾斜、障害物等の路面状況により、車体全体が傾いてバランスを崩し転倒する危険性があります。スイング機構を固定して走行する際は、必ず低速走行を心がけ、傾斜のある路面や凹凸のある路面では自転車から降り、押して歩きましょう。
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