突然、アダルトサイトで「登録完了」になった!
2019年3月27日 独立行政法人国民生活センター 「身近な消費者トラブルQ&A」より
質問
スマートフォンでインターネット検索をしていたら、突然、アダルトサイトにつながり「登録完了」と表示され、30万円請求されてしまいました。画面を閉じても、相手の電話番号が繰り返し表示されて、消えません。電話をした方がよいでしょうか?
回答
これは、インターネットの利用者に有料サイトに登録したと思わせ、不当な請求をする、ワンクリック請求の手口と思われます。電話番号などが表示されても、業者に連絡を取らないようにしましょう。
解説
【ワンクリック請求とは】
・ワンクリック請求は、登録完了画面等を表示することで契約が成立したと思わせて、利用者をじらせたり、慌てさせたりして、サイト利用料等の名目でお金を払わせる手口のことです。アダルトサイトのトラブルに多く見られます。
・インターネット上の契約では、事業者が申し込み内容の確認を求める措置を講じていない場合、消費者は錯誤による契約の無効を主張することができます(電子消費者契約法3条)。料金を請求されても支払う必要はありません。
【アダルトサイト(ワンクリック請求)のトラブルを避けるには】
★インターネットの閲覧中は、安易なクリック(タップ)をしない
アダルトサイトの動画の再生ボタンや年齢確認ボタン、「無料動画はコチラ」などのリンクには、特に警戒しましょう。また、ゲーム、芸能情報、占いなどのサイトから誘導されるケースもあるため、注意しましょう。
★請求画面が表示されたら、画面の消去を試みる
スマートフォンのブラウザー画面を閉じ、ブラウザーの閲覧履歴を削除することを、まずは試みましょう。パソコンについても同様に、ブラウザー画面をいったん閉じた後で、再表示や再起動させることで表示されなくなります。画面をうまく閉じることができない場合は、ブラウザーを強制終了してください。ただし、パソコンに不正なソフトがダウンロードされたことにより繰り返し請求画面が表示される場合は、システムの復元やパソコンの初期化など別の対処が必要です。方法については、以下のサイト等を参考にしてください。
※ワンクリック請求被害への対策(IPA:独立行政法人情報処理推進機構)
https://www.ipa.go.jp/security/anshin/1click.html
★支払いには応じず、そのまま放置する
・サイトへ接続しただけでは、個人を特定する情報が相手に知られることはありません。慌てて業者に連絡を取ってしまうと、新たに個人情報を相手に知られかねません。支払いには応じず、そのまま放置しましょう。
・万が一、請求が裁判所から届く特別送達(注1)によるものだった場合だけは注意が必要で、そのまま放置してはいけません。放置すると、欠席裁判となり、基本的にアダルトサイト業者の請求がそのまま認められてしまいます(注2)。
(注1)裁判所からの通知の際に使用される「特別送達」と記載された裁判所の名前入りの封書で、郵便配達担当者が直接手渡しすることが原則となっています。裁判所で付した「支払督促」や「訴訟の呼出状」の「事件番号」・「事件名」が記載されている点に特徴があります。
≪参考≫裁判所からの「訴状」?-特別送達について-(独立行政法人国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/t_box/data/t_box-faq_qa2017_25.html
(注2)消費生活センター等が「そのまま放置」するようアドバイスしていることにつけ込んで、過去に、架空請求業者(出会い系サイト事業者)が実際に裁判を起こした事例があります。本判決では、消費者が反訴して裁判に応じ、裁判所は、事業者の一連の手法を「訴訟詐欺ともいえる」と断じ、その請求を棄却しました。なお、国民生活センターで把握している限り、これ以降、実際に提訴まで行った出会い系サイト事業者の架空請求の事案は見られません。
★お困りの際にはお近くの消費生活センター等(消費者ホットライン188)にご相談ください。
2019年3月27日 独立行政法人国民生活センター「身近な消費者トラブルQ&A」はこちらから
http://www.kokusen.go.jp/t_box/data/t_box-faq_qa2018_26.html