県内の活動紹介 〜地域や関係者の取組〜
中国財務局の出前講座が開催されました
中国財務局では、金融犯罪トラブル防止などの周知活動の一環として、地域サロン、町内会などの少人数の集まりのほか、老人クラブ、老人大学やライオンズクラブなどの団体の研修などに講師を派遣しています。
今回は、1月21日に行われた広島県損害保険代理業協会中央支部の勉強会での出前講座の様子を紹介します。講師の財務省中国財務局金融監督第三課の相談員 田中誠さんが金融犯罪等の発生状況及び防止策について講演され、広島県損害保険代理業協会中央支部の会員の方々、約20名が受講されました。
「金融犯罪被害に遭わないために」
(講師 財務省 中国財務局 金融監督第三課 相談員 田中誠さん)
◇広島県の特殊詐欺の認知状況(広島県警HP資料より)
・広島県での特殊詐欺被害額は、平成26年(1月~12月)で16億3,427万円と、前年比の1.5倍に増加
・振込み型は減少し、郵送・宅配型が増加
直接受取り型も増加傾向
・被害割合では、60代以上の高齢者が全体の8割超
・男女比率は、男性が22%、女性が78%となっており、女性の被害が多い
・70代以上の女性が全体の過半数を超えている
◇劇場型投資詐欺のロールプレイング
★ロールプレイングで劇場型詐欺の手口を紹介
パンフレットが送られてきた人しか買えないという未公開株を「3倍で買い取るので代わりに買って」と頼まれ、承諾してしまった高齢者Aさんに、金融庁をかたる者から「名義貸しは違法です。罰金を払わないと裁判します」と電話がかかってきます。 |
★詐欺は1本の電話から始まります。
電話で次の言葉が出たら要注意です。誰かに相談を!
・パンフレットを送ります
・あなただけしか買えない
・名義を貸して欲しい
・高利回り、値上り確実、数倍で買戻す
・金融庁など公的機関を名乗ってくる
・名義貸しは違法、裁判をする
・振り込みや郵送・宅配などで現金送れ
◇高齢者が狙われる要因
・高齢者が抱える3K
Kane(お金)⇒収入源は年金だけ、老後の蓄えに不安があり、「儲け話」に弱い
Kenkou(健康)⇒健康不安につけこまれて、高額な健康食品などを買わされる
Kodoku(孤独)⇒一人暮らしの方が多く、相談相手がいない
・高齢者は、お金持ち(全世帯平均の約1.4倍の貯蓄額)
・高齢者は、自分は大丈夫と過信している
・高齢者は、自尊心が強く、騙されても誰にも相談しない
・高齢者は、他者からの好意に対して、誠実に対応する傾向がある
◇被害に遭わないための注意点
・日頃から、家族と連絡し合い、だましの手口の話をしたり、「合言葉」を決めておく
・通話録音機能付き留守番電話を設定し、相手を確認してから電話に出るよう心掛ける
・お金の話が出たら、すぐ電話を切る
・即答は避け、家族などに相談する
・「自分だけは大丈夫」という過信は禁物
被害高齢者の8割以上は、被害に遭うとは思っていなかったと回答(警察庁意識調査)
中国財務局「出前講座」に関する問合せ・依頼先
中国財務局金融監督第三課 電話:082-221-9221(代)
※詳しくは、当HP 中国財務局『「高齢者を対象にした金融トラブルの被害防止に関する出前講座」のご案内』をご覧ください
通話録音機能付き留守番電話を設定しておくと、特殊詐欺や悪質商法の被害の未然防止に非常に効果的だそうです。相手を確認してから電話に出ることが出来るだけでなく、「この通話は録音されます。」とアナウンスが流れると、悪質業者などは証拠を残したくないため、すぐに電話を切ることが多いのです。
近年は、高齢者の一人暮らしが多くなっており、日頃から身近にいる方たちが高齢者の見守りを行い、声を掛けることが大切です。中国財務局の出前講座等で、特殊詐欺や悪質商法の手口、注意点、相談先の情報を持ち、皆様の周りの高齢者の方々の被害の未然防止に活かしてください。